自転車に乗ったあと、尾てい骨やお尻が痛くて悩んでいませんか?
とくに久しぶりに自転車に乗ったときや、ママチャリなどクッションの少ないサドルに長時間座ったときは、おしりの痛みを強く感じる方も多いはずです。
この記事では、自転車に乗ったあとにおしりや尾てい骨まわりに違和感や痛みを感じる方に向けて、その原因や改善方法、予防策について詳しく解説します。
通勤・通学で日常的に自転車を使用する人から、休日にサイクリングを楽しむ趣味ライダーまで、誰にでも起こり得るのが「おしりの痛み」。
特に尾てい骨周辺の痛みは、原因に気づかず放置すると悪化したり、自転車そのものから遠ざかってしまう原因にもなります。
ここでは、痛みのパターン別に注意点や対処法、サドルや乗り方の工夫までを体系的にご紹介します。
「最近どうもお尻が痛い…」と感じている方はもちろん、「これから自転車を始めたいけど不安…」という方にも役立つ内容です。
この記事を読むと以下のことがわかります:
- 自転車に乗ると尾てい骨やおしりが痛くなる理由
- おしりの痛みの種類とサドルの相性
- 自転車の種類や姿勢による違いと改善法
- 尾てい骨の痛みに効くストレッチやクッションの使い方
- 実際にサイクリストが体験している声や改善の工夫
自転車に乗ると尾てい骨が痛いのはなぜ?

ママチャリに乗ると尾てい骨が痛くなる理由
ママチャリ(シティサイクル)に多く見られるのが「直立姿勢による尾てい骨の圧迫」です。
ママチャリは誰でも簡単に乗れる設計で、乗車時の姿勢が垂直に近い状態になりやすくなっています。
この状態では、上半身の重さがそのまま骨盤底部、つまり尾てい骨の先端付近に集中してしまい、長時間の乗車や段差走行で痛みを引き起こしやすくなります。
特にサドルが古くなってヘタっていたり、もともとクッション性のない硬いタイプだった場合は要注意です。
また、ママチャリを使用していて「重たい荷物を前カゴに乗せている」「子どもをチャイルドシートに乗せている」などの場合は、さらに体重が後方にかかり、尾てい骨への負担が大きくなります。
そのため、座面の広さやクッション性だけでなく、重心の位置やサドルの角度も見直す必要があります。
そもそもなぜ自転車でおしりが痛くなるのか
「サドルに座っているだけで痛い」と感じる方の多くは、坐骨・尾てい骨・恥骨枝など、骨そのものがサドルに当たっているのが主な原因です。
ただし、その裏にはさまざまな要因が絡んでいます。
- サドルと骨盤の相性が悪い:骨盤の幅や形状は人によって異なり、自転車のサドルがその人にフィットしていないと、限られた面で骨が支えられてしまいます。
- 姿勢が悪い・安定していない:前傾姿勢が取れず、背筋が垂直に近い状態になると、尾てい骨に直接体重が乗ってしまいます。
- 長時間乗ることで蓄積ダメージ:サイクリングで30分〜1時間を超えると、血流も悪くなり痛みを強く感じやすくなります。
- 地面からの衝撃がダイレクトに伝わる:特に舗装が荒れた道や段差の多い通勤ルートなどでは、サドルのクッションやフレームの振動吸収性も大切になります。
これらの要素が複合的に重なると、まだ慣れていない初心者や、体重がかかりやすい人ほど痛みが出やすくなるのです。
久しぶりの自転車でおしりが痛くなることも
長期間乗っていなかった人が突然自転車に乗ると、「たった数十分で痛い」と感じるケースが少なくありません。
これは、筋肉や皮膚がサドルの硬さや圧力に慣れていないことが原因で、いわば“おしりの筋肉がサドルに慣れていない”状態です。
また、学生時代には毎日のように通学で自転車に乗っていた方も、大人になってから再開すると「あれ?こんなに痛かったっけ?」と感じることがあります。
これは年齢とともに筋肉の柔軟性が失われたり、皮下脂肪の量が変化したことも影響しています。
筋肉が衰えれば、坐骨を守る緩衝材の役割も減ってしまうため、骨がサドルに当たりやすくなり痛みを感じやすくなります。
こうした「ブランク明け」の人は、徐々に時間を伸ばして乗るようにするのが大切です。
女性がサドルで痛みを感じやすい理由
女性の場合、男性よりも骨盤が広く、骨の付き方や柔軟性も異なります。
そのため、一般的なサドルでは骨盤の左右の端にある坐骨がうまくサドルに乗らず、端に当たることで痛みを感じやすくなります。
また、尿道周辺や恥骨枝といったデリケートな部位にもサドルの先端が当たりやすく、しびれや不快感につながることもあります。
このため、女性専用サドルの多くは以下のような特徴を持っています:
- サドル幅が広めに設計されている
- 中央に圧迫軽減のための「穴」や溝がある
- 骨盤の傾きに合った角度調整がしやすい
スポーツバイクに乗る女性や、通勤・買い物で頻繁に乗る方は、自分に合ったサドルを選ぶことで驚くほど快適になります。
おしりの痛みを防ぐ具体的な対策

おしりの痛みを和らげるための基本的な対策
おしりや尾てい骨の痛みを感じるとき、すぐにサドルを交換しようとする方も少なくありません。
しかし、まず見直すべきは「乗り方」や「サドルの調整」です。
たとえば、サドルが極端に高すぎたり低すぎたりすると、ペダリングのたびに体が前後に動き、おしりに摩擦と衝撃が加わり続けます。
また、前傾姿勢が取れていない場合、骨盤の角度が悪くなり尾てい骨に体重が集中しやすくなります。
以下のような基本対策をまず実践してみましょう:
- サドルの高さ調整:ペダルが最下点に来たときに、脚が軽く伸びきる程度が理想です。
- サドルの角度調整:水平よりわずかに前傾(1〜2度程度)にすると、尾てい骨への圧が軽減します。
- 定期的に立ち漕ぎを取り入れる:血流を確保し、尾てい骨周辺の負担を一時的に逃す効果があります。
これらを調整しても改善が見られない場合は、次のようなクッションや専用用品を検討しましょう。
痛みをやわらげるサドルクッションの活用法
市販のサドルカバーやクッションは、特にママチャリやクロスバイクのように標準サドルが硬い自転車を使っている方におすすめです。
クッションの種類には以下のようなものがあります:
- ゲルクッション入りカバー:圧を分散し、骨に直接当たらないようにします。
- 低反発素材の厚手パッド:長時間乗るツーリング派に好まれます。
- スポーツ用パンツに装着されたインナーパッド:特にロードバイク愛用者に広く使われています。
注意点として、クッションが厚すぎると安定性が失われ、逆に疲れやすくなることもあります。
特にスポーツバイクではフィット感も重要なため、厚みと形状のバランスを見極める必要があります。
また、サドルカバーがズレやすい場合は、滑り止め加工されたタイプを選ぶと安心です。
骨が当たって痛むときにおすすめのサドルの形状
サドルの形状は、痛みの出る部位や原因によって適したタイプが異なります。
- 尾てい骨が当たる方 → 穴あきサドルや後部が広く支える形状が効果的
- 坐骨の外側が当たる方 → 骨盤の幅に合った広めのサドル
- 恥骨や尿道の痛みがある方 → 中央に溝または穴があるタイプ(カットアウトサドル)
特に「骨が当たって痛い」と感じる方には、やわらかすぎるサドルよりも、適度な硬さと骨を支える幅を持ったサドルの方がフィットする傾向があります。
試乗できる自転車店では、自分の坐骨幅を測って適したモデルを提案してくれるケースもありますので、一度相談してみるとよいでしょう。
尾てい骨の痛みをやわらげるストレッチ方法
尾てい骨に違和感を感じたら、まずは筋肉や骨格のバランスを整えることも大切です。
特におしり〜骨盤周辺は、サイクリング中にずっと負荷がかかるため、ストレッチによるケアが効果的です。
以下のストレッチは自宅で簡単にできます:
- ハムストリングのストレッチ:
- 仰向けになり、片膝を両手で抱えるように胸へ引き寄せます。
- 15〜20秒キープして、左右交互に行いましょう。
- 骨盤回し運動:
- 仰向けの状態で膝を立て、骨盤を左右にゆっくり傾けて緩めます。
- 猫のポーズ(ヨガ):
- 四つ這いで、背中を丸めたり反らせたりする動きで骨盤の動きを改善。
日常的にこれらを取り入れることで、尾てい骨の負担を軽減しやすい骨格バランスが整います。
まとめ|尾てい骨やおしりの痛みを防ぐためにできること
- サドルの高さや角度の見直しが痛み軽減の第一歩
- 直立姿勢のママチャリは尾てい骨への負担が大きくなりやすい
- 前傾姿勢を意識することで骨盤への圧力を分散できる
- ゲルや低反発などのサドルクッションで衝撃をやわらげる
- 骨の位置に合ったサドル形状を選ぶことが大切
- やわらかすぎるサドルはかえって安定性を損なうこともある
- サイクルパンツのインナーパッドも効果的な補助手段
- 尾てい骨の痛みにはハムストリングや骨盤のストレッチが有効
- 自転車から離れていた期間が長い人は徐々に慣らすのが◎
- 骨盤幅や体格に合うサドルを選ぶことで快適性が大幅に向上
- 女性は骨盤の広さに配慮したサドル設計が適している
- 痛みが続く場合は整形外科や整体などの専門機関に相談を
- 一時的な痛みなら休息とアイシングで改善が期待できる
- 自転車通勤や通学ではクッションカバーを携帯するのも便利
- 適切な姿勢・用品の選択で自転車はもっと快適になる
痛みを我慢せず、環境や乗り方を少し見直すだけでも、おしりの痛みは驚くほど軽減できます。
あなたの体に合った最適な方法を見つけ、快適な自転車ライフを楽しみましょう。